毎年春の初めに市役所から案内が来ていた。名古屋市からも同じものが届いている。
実施主体は「愛知県こう高齢者医療広域連合」で今年から妻も「後期高齢者」で無料健康診査の対象になった。
そこで春からプリンターの横に立てかけてあった封筒を持って近所の医者へ出かけた。
受付で申し出ると「朝食は採りましたか?」と聞かれて「そういえば…、うっかりしてた」。
もう昼にも近くなっていたので「朝早く少しだけ…」と粘ったが「駄目!」と言われて出直すことにした。
帰りかけたら「ちょっと待って!問診票と検便の用具を渡すから…」そして小さな声で「前立腺は?」…、
「えっ!」聞き取れなかったのでもう一度聞き直した。「前立腺の検査はどうします?」とまた小声で言う。
検査は基本の血液、尿、胸のレントゲンなどでそれに前立腺の検査を付け加えた。
この年齢になれば詳しく調べれば何かで引っ掛かるのは仕方がない。胃が無いので「胃癌の検査」は止めることにした。7月の胃カメラは異常なしだった。
帰り道に「コメダ」によって「モーニングサービスセット」を注文して朝食の代わりとした。
「さっきの看護婦さんの声が聞こえなかったよ。もう少し大きな声で…」と妻に言ったら…、
「配慮したのよ」「成程…」何となく納得した。
問診票に記入して二日の検便を取って朝食を抜いて出かけた。ただでさえ体力不足なのに空腹が堪える。
最近は体力の悪さに寒さが加わって二人とも「閉じ籠り」である。運動不足が更に食欲を奪って体重を減らしている。脂肪が無い身体には寒さが身に沁みる。
この辺りの地形は丘の上なので冬は辛い。日泰寺の参道から真っ直ぐに吹き抜ける風がビル風となって強風になる。冬はどうしても閉じ籠りがちになる。
検査結果は後日。「今度は引っ掛かるかな?」と不安がまた頭を擡げる。知らないうちにそんな歳になっている。
明日は玄関画廊に搬入です。