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秋の彼岸会・2017

秋の彼岸会・2017_c0192051_10471443.jpg今日は「彼岸の中日」です。秋の彼岸会の案内が寺から来ていました。
これまでも、此処へ移って来てからも「秋と春」の彼岸には欠かさずこのこの「先祖供養」の場にいましたが今年は止む無く欠席しました。今年の案内は昨日の22日でした。このことを朝の読経の際に仏前で父母に欠席を話しました。

秋の彼岸会・2017_c0192051_1053528.jpgいつもなら朝起きて気持ちを整えてから故郷へ向かって車を走らせました。途中の花屋では墓前の花束を四つ買います。
本堂で受付を済ませてから境内の墓地へ行きます。広い境内では深閑とした森の中で風にそよぐ木々たちが囁きかけてきます。

秋の彼岸会・2017_c0192051_10564277.jpg彼岸の前で墓地の周りは綺麗に掃除をされていてあちこちの墓石の前では線香の煙が漂って彼岸の雰囲気が醸し出されます。
墓地ですれ違う人たちと「こんにちは!」「ご苦労様です」と挨拶が交わせるのは古き良き風習です。
墓石の周りの草を毟って花と水と蝋燭と線香を供えて手を合わせます。

秋の彼岸会・2017_c0192051_1131077.jpg小さい声で読経をしながら「お父さんお母さん、いま暫くは私たちを守って下さい」と話しかけると何故か父母の傍にきたような安堵感に浸れます。
そんなことを長年繰り返してきましたが今年はそれが出来ません。

秋の彼岸会・2017_c0192051_1163938.jpgそして本堂に戻って焼香の順番を待ちます。
夏に傷めた足の痛みはありませんが足が折り畳めず正座が出来ません。妻の手術後の経過は悪くありませんが今ひとつ元気が戻りません。
墓参りも彼岸の供養も出来なかったことを申し訳なく思っています。

秋の彼岸会・2017_c0192051_11132377.jpg人には「貴方の考え方は新しいよ」と言われることもありますが私は戦前生まれの人間です。出来るだけ時代に添った生き方をしている積りですが「長男」という思いを残したままの古い人間です。
唐突ですが…、ただこれだけは言いたいと思います。
「日本は絶対に戦争をしてはならない。決して戦争に巻き込まれてはいけない」と…。
戦前生まれの一番最後を走るランナーとして常にそれを危惧して叫んでいます。

秋の彼岸会・2017_c0192051_11174491.jpg≪今年は精進料理も食べられませんでした≫
読経の声が響く中で高校時代の友の僧侶を探します。彼と目が合うと目と目で話をしました。それも一昨年まででその彼も鬼籍に入ってしまいました。
身体の衰えと共に少しずつ故郷が遠のいていくのを感じます。

秋の彼岸会・2017_c0192051_11233349.jpg薬を飲まなかったこの一週間の妻はよく動いていました。
弘法さんの縁日のあった日の午後に大曾根の「喫茶・パントマイム」の木彫り教室で「小さな観音像」を彫りに出かけていきました。
「生きている間は…、楽しまにゃあ」旺盛な好奇心と積極的な行動にはいつも感心をするばかりです。
今は薬の副作用が少ないようにと祈るのみです。でもこの希望的観測も自分に向けての言い訳を押し付けているようなものです。
彼岸のこの日「今年は行けませんでしたが二人を見守っていて下さい」とそっと手を合わせました。
by mori-toru | 2017-09-23 11:46
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