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「版木と和紙」を取り寄せる

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_20575639.jpg気力が後退して今年は暑中見舞いの木版画を彫るのがやっとでした。心の不調が身体にも影響を与えています。
「木版画の年賀状も…、今年が最後かな?」そんな気もしていました。
そんなことを考えていたら今年は喪中になりました。夏の前に妻が姉を亡くしてつい先日私の義弟が亡くなりました。
今年の入ってからは私たちの周りに訃報が続いています。
何となく気力を感じない私の背中を妻が押します。

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_20575094.jpg「木版画でも彫って見たら…」と言います。これまでも木版画が何度も私に力を与えてくれたことを彼女は知っています。
「版木も和紙も全部使い果たしたよ」「取り寄せれば…」と背中を押されて夕方になりました。
「そう言えば…、事のカタログが来てたっけ」取り出してきたら厚くて立派な冊子です。

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_23400653.jpg中を開いて見ていたら少しずつその気になりました。何だか気力も湧いてきます。
これまでも購入をしてきた東京の木版画用品の店のホームページを開いててみました。
ネットショップで「版木と和紙」を選んでカートに入れました。送信の前に「もう一日考えよう」と一旦パソコンを閉じました。

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_21565751.jpg用品が届いてもまだ自信がありません。
明くる朝目が覚めてベッドの上で題材を頭に描いて画を分解している自分を発見して驚きました。
「何だかやれそう…、かな?」そんな気になってベッドを離れました。
もう一度パソコンを開いて注文をしました。

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_20580820.jpg直ぐに「注文の引き受け」のメールが届きました。もう、やるっきゃありません。
木版画用のシナベニアを12栽にカットして貰って手漉き和紙を少し多めに頼みました。
明くる日の午前中に宅配便が届いて中を開いて急に自信がなくしかけました。

最後まで完成できずに止めたら無駄になります。妻に「もし、完成できなかったらこれを友達にあげてね」と頼みました。
妻の友達に木版画を始めた人がいます。

「版木と和紙」を取り寄せる_c0192051_21074014.jpg恒さんに「12月の癌館画廊は空いてる?」とメールをしたら「その月は〇〇(私たち)ちゃん家の予約が入ってるよ」と返事が来ました。
もう後には引けません。何とか頑張ってみようと気力を盛り上げて題材の構想を練っています。「出来るかなあ」疑心暗鬼です。

恒さんは何時もこうして私たちを励ましてくれます。趣味に引き摺られて少しずつ気力を戻しています。





by mori-toru | 2018-08-18 21:15
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